美術刀特注 黒銀切返鞘・小太刀

以前(2009年後半)、居合刀特注「圧し切り長谷部」(「武装商店」様HPで2010年の2/10「これはすごい特注紹介/画像編」、2/11「これはすごい特注紹介/詳細編」で紹介)を依頼していた時、〝黒・金の切返し鞘〟を〝黒・銀の切返し鞘〟にすれば素敵だという構想をもっていました。既存のパーツの色変更や、パーツの新造などを具体的に考えていましたが、この計画は経済的な観点から待機中となっています。
美術刀で「圧し切り長谷部」が発売された時、居合刀特注の計画をそのままは反映させることはできませんが、脳内シミュレーションにおいて先ずは〝黒・銀の切返し鞘〟を美術刀特注で試すことは可能だと思い、頼んでみました。

 

丁度、鞘の文字入れで小太刀二尺刀身を気に入っていた時でしたので、この短めのサイズでの特注でした。「武装商店」様HP2010年7/25紹介で美術刀用柄巻合皮の取り扱いが始まったこともあって、これらのパーツを組み合わせました。柄巻に合わせて下緒も黒合皮にしていただきました。

 

<img src=”切返鞘.jpg” alt=”切返鞘”/>

柄頭には銀色の太刀金具を指定しました。この特注をお願いする、ちょっと前に新たに登場したパーツだったと記憶しています。残念ながら金色・黒色・銅古美色はありません。また、現在この太刀金具が利用可能かどうかがわかりません。

 

柄下地は黒プラ鮫で、黒合皮の柄巻にしてもらいました。

 

<img src=”切返鞘.jpg” alt=”切返鞘”/>

美術刀用のプラ鮫は、この撮影で初めて拡大して見ました。がんばって粒の大小を表現しているのが判ります。美術刀用の柄合皮は、当然ですが居合刀用の革とは違って薄いので、透き間が生じたり菱形が崩れてしまうことがあります。でもしっかりと丁寧に巻いていただいています。

この当時は銀色の目貫が存在しませんでした。ですから〝仕方無く目貫を入れてしまう〟より、此方の鞘塗りと金具も含めた全体の調和を考慮して「目貫を入れない」という判断をしました。全体像を見ていただくと、この考えは見事に当たったことがお判りいただけることでしょう。

 

美術刀用の喰出鍔を装着しています。表側には形式的な笄用の溝があります。美術刀用の喰出鍔は黒色と金色しかありませんでしたので、この特注には黒色を選択しました。

縁は柄頭に装着した太刀金具に合わせて銀色としています。

美術刀用の切羽は金色のみです。最近の特注では居合刀用の切羽を美術刀にも装着が可能になっています。この特注をお願いした時に銀色切羽を装着できていれば、全体の色味が統一できたのに・・・と悔やんでも致し方ありません。

 

鞘を払った状態です。美術刀・小太刀の刀身なので樋無し、刃文の選択肢はありません。樋が無いので、逆に本物っぽく見えます(遠く離れて見れば・・・という条件付きですが)。

 

鍔元を拡大してみました。縁金具が銀なので、やはり切羽は銀を装着すべきでした・・・。でも仮に切羽を銀にしても、美術刀用の鎺は金一色しかありませんので、抜いた時の色合い統一は不可能です。

この形の鎺は美術刀用の物です。市販流通品では「居合刀」を名乗っているにも関わらず、この美術刀用の鎺を装着しているものを写真で見たことがあります。最悪「居合刀」を騙った柄下地がプラスチックの美術刀である可能性が高いです。柄下地が仮に木製であったとしても、鎺がこの美術刀用の物であれば、部材を安価な物にして価格を抑えるということをしている可能性が大きいと判断するのが安全です。

部材をよく観察して、手にしているのは美術刀?居合刀?という正確な判断ができるようになっていると悲しい思いをすることが無くなります。美術刀を振り回して破損することも無くなります。

 

<img src=”切返鞘.jpg” alt=”切返鞘”/>

鯉口部分です。この特注をお願いした時には黒いプラスチックのみでしたが、現在は鐺金具とのセットの金具装着で金・銀・黒の3つ選択肢があります。

 

此方の特注のメインである鞘の黒銀切返部分です。

 

単なる銀塗りではなく「銀微塵(ラメ)」にしていただきました。粗めのラメにしたことで、光の当たり具合により輝きの風合いが変わります。少々暗めの銀微塵なので〝燻し銀〟の様な雰囲気が醸し出されています。

 

美術刀特注では、いつもお願いしている鍬型鐺を付けています。現在は、指定しなくても鯉口金具と鐺金具は付いてくるそうですが、この鍬型鐺は指定しないと装着してもらえません。その分、価格に反映されますが、カッコいいので良いのです。

日本語的には矛盾していますが「華麗な渋味」を醸し出す一振りになったととても満足しています。

 

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