「株式会社謙信」様より発売されていた不不動明王坐像のお話です。
「株式会社謙信」様は、東京都中央区日本橋で「日本の美を創造する」を標榜する会社です。
嘗ては阿修羅や盧舎那仏などの製作・販売をされていました。
以前、「河越御所」サイトでも山城国浄瑠璃寺モデル「大日如来」(ノーマル/黄金泊仕様)2種を採り上げましたよ。
今回は、「謙信」様のノーマル「不動明王」坐像のお話です。
〝極彩色反〟といって、衣が赤いVer.もあったのですが、完売です。
残念なことに、「謙信」様の仏像フィギュアは全て完売となっています。
さて、不動明王坐像をご覧いただきましょう。

背景を白・黒として印象を変えていますが、「河越御所」には残念ながらノーマルVer.しか居りません。
明記されていませんが、甲斐国恵林寺のいわゆる武田不動尊を想起させる容貌ですね。
グルッと回しますよ。

処かの寺院が所蔵する不動明王・・・ではないので、ディフォルメが為されて立体的造形が凄くカッコいいのですよ。
頭上の火焔光背の様子です。

迦楼羅炎ではなさそうですが、炎が立体的になっているので〝燃え盛っている感〟が強いの。
造形物としては静止していますが、イメージ的には動いている炎ですよ。
頭頂に「開蓮」(かいれん)もしくは「莎髻」(しゃけい)・・・どちらとも判断がつきかねます。

頭髪はグルッグルの巻髪です。
不動明王は、空海が平安時代初期に日本へと招来しましたからね。
総髪+弁髪が古来の頭髪だそうですよ。
「謙信」様の不動明王は巻髪で、弁髪がありませんから古代後期~中世になってからの不動明王を意識していますね。
お顔がシュッとしていますね。
眉間の皺が深いですが、細身のお顔になっています。
ちょいと下から見上げています。
だって、カッコいいんだもん。

口元は、牙上下出(がじょうげしゅつ)ですね。
不動明王の定石です。
あらっ、

両目をカッと見開いていますよ。
瞳は金色(こんじき)っ!
天地眼(てんちがん)にしなかったのが正解でしたよね。
カッコいいってことですよ。
右手で持っている剣は・・・

装飾の無い剣でした。
三鈷剣でもありませんし、独鈷剣でもありませんね。
これは残念・・・・。
左手では羂索(けんさく/けんじゃく)を巻いて握っています。

紐の中に針金が入っていますよ。
自由に形状を変えることができます。
結跏趺坐(けっかふざ)は、こんな感じ。

ご覧いただいている不動明王はノーマルVer.です。
極彩色Ver.は、衣と裳が赤いのです。
もう、入手不可能ですよね・・・残念です。
後ろに回って、火焔光背を観察します。

火焔に段差が付けられています。
別々に型抜きして、組み合わせたのでしょう。
とても手間が掛かっていますよ。
後ろから見るだけだと判りませんが、

前方・斜めから観ると、段々が火焔の立体感、そして躍動感が伝わってきます。
前から見ると、この火焔光背だけでも手間が掛かっていることが判りますね。
肩の三角筋がモコッとしているので、細身ですが力強さが際立っていますね。

更に、火焔光背が不動明王の左側へと流れています。
火焔が真上に向かっているのではなく、不動明王の左側に流れていることによって、火焔光背の立体感が強調されています。
この火焔光背の造形、素晴らしいですよ。

正面、下から見上げています。
だって、カッコいいんだもん。
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