「空也上人立像」(海洋堂 六波羅蜜寺公認)

年末(2022年)の駆足初詣で、最初に山城国の六波羅蜜寺に向かったのには理由がありました。

2022(令和4)年は、空也が没してから1050年目ということで、東京国立博物館・本館特別5室において3月1日(火)~5月8日(日)の会期で
 特別展「空也上人と六波羅蜜寺」
が開催されました。

初日に行こうと予定していたのですが、当日になったら疲労で外出する気持ちにならず、また海洋堂「空也上人立像」の購入手続きが転売屋対策のために面倒になったと聞きました。更にいつもは開封して「飾るもの」と「保存用」の2体を購入することを習慣にしているのですが、1体の価格が上昇(9,000円)していたこともあり、テンションが下がってしまいました。その後も売り切れ、再入荷、完売という情報に接することで更に更に足が遠のきました。
だって、イSム・掌「空也」がノーマルと改造版の2体が居るので〝何としても手に入れる〟という気持ちになりませんもの。

でも、ネット上の情報で「六波羅蜜寺の売店で販売している」という情報を知りましてな、ダメ元的な感じで六波羅蜜寺に向かったのでした。

先の更新で触れましたが、事前に調べていた訳ではありませんが
 『踊躍念仏厳修』
を拝見することができました、

空也とは特に接点を持っている訳ではありませんし、河越御所にとっては六波羅なぞあまり居心地のよろしい場所では無かったのですが、今回の六波羅蜜寺の参詣で印象がガラリと変わりました。これから何度も参詣したい寺院のひとつになりましたよ。

 

さて海洋堂「空也上人立像」ですが、六波羅蜜寺の受付を兼ねた売店では販売しておりません。
その売店から直進して突き当たりの「御堂」の売店にも居ませんの。
「あ~ぁ、ネットの情報だから当てにならんなぁ。まぁ、六波羅蜜寺を楽しめたからいっか。本堂裏側の空也と平清盛に逢いに行こう。」となりました。

 

前回の参詣は8年前の2016(平成28)年でした。
六波羅蜜寺に限ったことではありませんが、著名な文化財を所蔵しているのに所蔵施設が古かったり・・・ということがあります。
興福寺の阿修羅、圓成寺の大日如来、聖林寺の十一面観音など、長期の出張を経て立派な収蔵庫に収まっていますよね。
空也たちも頑張ったのです。2022(令和4)年5月下旬に「六波羅蜜寺 令和館 重要文化財収蔵庫」がオープンしたといいます。あらっ、立派な2階建の収蔵庫ができていましたよ。
ちょいとポップな言い方をしていますが〝収蔵文化財を寺外に貸し出すことで新しい収蔵庫ができる〟という単純なことではありませんからね。長きにわたって寺院と担当機関・建設会社が綿密な打ち合わせを重ねてできあがるものですから。

新しい収蔵庫で受付担当の寺僧にチケットを渡したところ、入口横に図録などに混じって海洋堂「空也上人立像」の見本がおりました。
「うぉっ、空也が居るっ!」という逸る気持ちを抑えつつ、六波羅蜜寺所蔵の文化財と対面しました。
それなりにじっくりと拝観しましたが忘れちゃいますからね。
図録を購入して、何度も見返して、その上でまた本物に逢いに行く。
これを繰り返していくと、その文化財との繋がりができますからね。

六波羅蜜寺の文化財たちとの再会を終え、人の流れが途切れたところを見計らい、受付の寺僧に「空也上人を1体、いただきたいのです」と申し出たら、とても丁寧に「有り難う御座います」と応対してくれました。他の物もお願いしたということもあるのでしょうが、奥の倉庫から空也を連れてきてくれました。

東京国立博物館・売店では9,000円で販売されていたものが、六波羅蜜寺・令和館(収蔵庫)の売店では11,000円で販売されていました。
差額?
いいんですよ。寺の運営、文化財の保護の為に使ってくれれば、
何だったら、次の参詣時も購入しますから(〝在庫があれば〟・・・笑)。
最近、詐欺ヤロウを滅多滅多にしているので、こちらの通常更新にも影響が出てしまいました(笑)、

 

さて、連れ帰った海洋堂「空也上人像」を観ていきましょうか。

箱の外観は、こんな感じです。

 

海洋堂の仏像フィギュアの外箱、どんどん写真を使ってスタイリッシュになっています。

 

いよいよ、開封しますよっ。

 

何層にも仕切られたスポンジの緩衝材。
「海洋堂」様は〝ここまでするかっ〟ってぐらいの梱包をしていますから、開封時の破損という心配はありませんからね。

 

蓋を外します。
これくらいぢゃ、本体は見えませんわな。

 

はめ込まれている小さいスポンジを除きます。
チラッと足元が見えていますね。

 

紙を外すと、出てきましたヨ。
念仏を唱えている空也が。

 

流石、六波羅蜜寺公認なだけあって、外観は本物と瓜二つです。
いつもの様に回しちゃいますよ。

 

イSム様「掌」の「空也」とは足元の台座が違いますね。
海洋堂「空也」の台座、形状と木目が出ている感じが本物準拠です。

 

 

 

背景を黒くして、念仏を唱えている様子を観ていきましょう。

念仏が小仏に具現化した描写、口から出ている〝棒〟が太うございます。
写真で見た時は、ちょいと難点かとも思っていたのですが、実物を目の前で見ていると違和感がありませんでした。不思議ですなぁ。

 

反対側の角度から。
彩色が剥げて木目が見えているところは、本物よりも簡略化されてはいるものの、位置が忠実なので、本物と変わり無い印象を受けます。
サイズ・価格を考慮すれば、素晴らしい出来映えですね。

 

小仏が空也の口から出ていく様子を、見上げています。
この角度から観ていると想像力も使いますが、〝唱えた念仏が小仏になって飛んでいく〟様子に見えてしまいます。楽しい。

 

簡略化されていますが、色の剥げ具合が適度でよろしい。
勿論、造形のバランスもさすがに海洋堂の高レベルということもありますがね。

 

なかなか後頭部を観ることはありませんからね。
個体差がありそうな塗り方ですが、本物はこんな感じなのでしょうな。

 

 

背景を白くして観ます。

当然ですが、だいぶ印象が変わります。
海洋堂「空也」、こうして観ても造形がしっかりとしていますね。

 

下から見上げれば、ちょいと角度を変えると小仏が飛んでいく様に見えまする。

 

口からモゴモゴとしたものが現れ・・・

 

小さな阿弥陀如来6体となり、飛んでいきまする。

 

海洋堂「空也」は、表情がイイですね。
口から出ている棒が太いのですが、それを気にさせない顔をしています。

 

表情のみならず、頭部の形もイイ。
坊主頭であるため難しきことですが、小さいサイズなのに本物に準じて凹凸を表現していますね。

 

本物は眼が玉眼なのですが、さすがにそれは再現されていません。
でも絶妙な彫りで目が表現されていますね。
これが角度を変えることで〝表情を豊か〟にしているポイントでしょう。

 

頭部から首にかけてのラインも秀逸です。

生きているかの様な鮮々しさが伝わってきます。
顔面の筋肉の隆起も地味ですが、見事に再現されていますね。

 

本物から3Dデータを採ったとしても、それをそのまま立体化すると〝ボッテリ〟となってしまうそうです。
ですから、原型制作を担当された「Studio-蓮」様のデフォルメ力の素晴らしさが際立っていることになります。

 

今度は、空也が首に掛けている「鐘」の様子を観ていきましょう。

肩に掛かっている部分を支板(しばん)、そこから直角に突き出している象の鼻形をした部分を「鉦架」(しょうか)といいます。

 

 

その道具が詳細に造られていますね。

 

「鉦架」に鉦(かね)が吊されています。
コレ、意外と重たいですよ。
なかなかな背筋力を持っていないと首・肩・腰に負担が掛かり姿勢が崩れてしまいます。

 

右手には、鉦を打ち鳴らすための「撞木」(しゅもく)が握られています。

現在、六波羅蜜寺で年末に行われている重要無形民俗文化財『踊躍念仏厳修』は寺僧による実演を見学することができます。
この時に寺僧は鉦架・支板を身に着けることはなく、鉦と撞木を手にして厳修をおこなっていました。
やはり証拠・支板は重たいし、動き辛いのでしょう。

 

背中から観ています。
重ね着をしている様子がしっかりと表現されていますね。
空也は懐いていた鹿の皮を猟師から譲り受け、身に着けたと言われています。
残念ながら、どの部分が鹿の皮なのかは判別できません。

 

着衣の皺、撓み具合、たなびいている様子がしっかりと表現されています。

 

 

六波羅蜜寺所蔵の空也象は、猫背+腰が曲がっているのが判ります。
これは年齢的なものもあるのでしょうが証拠。支板。鉦の重さによる、空也の身体の変形を表現しているのでしょう。

 

左手に握られている杖の先には、懐いていた鹿の角が付けられています。
まぁココは、価格相応ってことでね。

もし、今後もまた六波羅蜜寺に参詣したら、何度かに渡ってになるでしょうが海洋堂「空也」を3~5体を買い揃えようかなと思いました。
河越御所で『踊躍念仏厳修』をおこなえる様にすると楽しいのでね。

 

 

六波羅蜜寺の受付横の売店で、これが売っていました。

洋菓子店「京都北山 マールブランシュ」様と六波羅蜜寺のコラボレーションで制作された「お濃茶ラングドシャ 茶の菓」の特別ヴァージョンですよ。

 

東京国立博物館での特別展開催期間限定の販売だとばかり思っていました。
3枚1パックで450円です。随時入荷している様で、この時購入した茶の菓の賞味期限は2023年1月13日のものでした。

 

外箱を並べてみました。

 

海洋堂「空也」を「茶の菓」空也ヴァージョンで挟んでみました。

 

「茶の菓」3枚に加え、こちらのカードが入っていました。
こうしたこだわりって嬉しいですよね。

 

「茶の菓」1枚1枚に〝空也が仏を出している〟焼きが入っています。
こうした遊び心も堪りませんね。
このヴァージョン、ず~っと六波羅蜜寺の売店で販売を続けていただきたいものです。

 

 

 

 

 

 

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