広目天(リアル仏像 Standard 東大寺戒壇院モデル 廃盤)

先にお話ししたイSム「広目天」Standard、断言することはできませんが製作ロットは初版かそれに次ぐものと推測されます。
「株式会社MORITA」様本社を訪れて購入したものでした。

廃盤となってからかなりの時間が経過しました。
〝万が一のことがあったら・・・〟って考えるとキリが無いのですが、無茶をすること無しに備えることとしています。

イSム「広目天」Standardは、あまりオークション等で見掛けることはありません。
2025(令和7)年に、オークションで数回見掛けましたがね。
「河越御所」では2~3年前、状態の良いものが比較的安価でオークションに出ていたので確保しましたよ。
それが、コチラです。

破損・汚れがありませんで、5万円市内価格で落札できたと記憶しています。
先に迎えていた「広目天」Standardと比較すると、色合いが異なっています。



360度、回しました。

背景の黒い板に光が反射しないよう心掛け、「広目天」Standardの姿に集中できましたよ。



「五山髻」(ござんけい)に結われた頭髪です。

頭頂部に黒い彩色が遺っている状態ですね。
五角形の金属板が淡い色が注されています。
「河越御所」に既に居た「広目天」Standardとは異なっているところです。



「広目天」Standardの頭部を左・右から観ています。

まぁ何とも頭髪の結い方が複雑怪奇(笑)。
実際に自然に生えた毛髪を、この状態に再現するのは無理ですよ。

顔を正面から観ると、頬がシュッと削げているのですが、こうして左・右から観ると案外ふくよかなのですね。



後頭部を、ちょっと上から観ています。

「五山髻」(ござんけい)の裏側を観て気付くのですが、窪みの部分に黒だけでなく来い茶色(小豆色っぽい)が注されています。
こういった箇所から、このロットは先に見た「広目天」Standardよりも新しいものであることが判ります。



鎧の襟に欠けている箇所が見えますが、これは先の「広目天」Standardにも見える表現です。

頭髪の部分、淡いピンク色?肌色?が塗られていますね。
これは先の「広目天」Standardには無かった彩色です。

盆の窪のちょい上あたり、朱色の線が縦に入っていますね。
本物にも、こうした痕跡があるのでしょうか?



「広目天」Standardの顔、正面から観ています。

顔の造形に変化は見出せませんね。
彩色の具合で少々個体差がありそうですが、あまり気になるものではありません。



顔の中心部に注目しましょう。

このロットでも、鋭い目つきは健在です。
本物は瞳に石を嵌め込んでいるのですが、黒い石で統一されているのではないらしいといいます。



瞳に寄って見ます。

型抜きした表情ですが、瞳はいったん彫り込んで、そこを埋めて黒く塗っている様です。


気になったので、比較してみました。

左側は先の「広目天」Standard、右側が今回の「広目天」Standardの瞳の様子です。
縮尺率が同一ではありませんが、画像を比べて観ると、殆ど変わりはありません。
殆ど変わりはありませんよ。
でも観察すると、瞳の位置に印を付けて機械で彫っている様です。
ですから瞳の位置は、ほぼ同じですが〝一撃で彫りが成功した〟瞳と、〝彫り直し/調整した〟瞳の違いがありました。

単に広目天の顔を見ているだけでは気付きませんが、顔に近付いて瞳を観察すると、この微妙な差異が判りますよ。



因みに、今回の「広目天」Standard(左)と本物(右)の顔を並べると、こんな感じ。

やはり本物(東大寺戒壇院・広目天)が丸顔ですね。
パーツの表現は、驚く程に本物準拠です。
・・・見比べると、異なるのはどういうことでしょうかね?

顔面の広さ(面積)をちょっと大きくする?
顔面をもっと平らにする?
顎のラインと下顎から首にかけての肉付きをよくする?
・・・なんてしてみると、本物に近付けるのではないでしょうかね。
「コピーをつくっている」訳ではないといいますが・・・。



さて、視線を下ろして肩・胸の様子です。

先の「広目天」Standardを基準とすれば、今回の「広目天」Standardは
 ・獅噛(しかみ)の赤味が強い
 ・胸甲の黒い彩色に個性がある
のが〝個性〟(特徴)と言えましょう。
撫で肩であることは共通でした。



ちょっとだけ視線を下げています。

中国・唐王朝の頃の鎧と推測されています。
幾つもの甲を組み合わせ、紐で縛り付けています。
金属・革製の甲の区別は判断し難いですがね。

本物の彩色は失われているのですが残存状況を参照して、残痕を彩色で表現しているのでしょう。
そこは職人さんの感性で再現され、それが像の〝個性〟になっています。
〝個性〟を楽しむという遊びに気付くと、楽しみのレベルが変わりますよ。
その代償として〝無間地獄〟にも似た深みに墜ちてしまいますがね(笑)。



左手に握られた巻物を観察しましょう。

茶色く塗られた表装に、経年による煤(すす)の付着状況が再現されています。

 

巻物を、様々な視点から観ています。
手間が掛かりましたよ(笑)。



右手では筆を携えています。

彩色により、使い込まれた感が顕著になっています。
先の「広目天」Standardよりも汚しが強めになっています。

 

筆を、様々な視点から観ています。
こちらはそれ程に手間が掛かっていません(笑)。



左肩の獅噛(しかみ)を観察しましょう。

赤い彩色の残存状況、煤(すす)の付着を意識した黒っぽい彩色は、先の「広目天」Standardよりも強めです。



ちょっとピンボケ気味ですが、前方から

 

後方から

獅噛を観察しています。
表・裏共に、緑色の注しが強くなっています。



では、今度は右肩の獅噛(しかみ)を観察しますね。

 

こちらもピンボケ気味ですが、前方から

 

後方から

獅噛の様子を観ています。
牙・歯こそありませんが獅子ということです。
蛇かな?なんて思ったりしましたがね。



左腕の描写ですよ。

着衣の重なりと柔らかさが見事に表現されています。
塑像っぽいザラザラした表面加工がなされています。
文様・彩色は具体的なものではありませんが、雰囲気がよく再現されています。



左腕の描写です。

植物の文様が施されていたのでしょう。
微かなライン等ですが、そうした往時の描写を想像することができます。



では、大腿部・前方を防御する甲の重なり具合を観ていきます。

同じロットだと個体差はあるにせよ、配色パターンは共通しています。
この「広目天」Standardの配色パターンは、先の「広目天」Standardのそれと複数箇所が異なっています。
この大きな違いは、彩色担当の職人さんの感性ではありませんよ。
偶々オークションで発見し、偶々確保できたことで「広目天」Standardのロット違いを確認できています。
いやぁ~、楽しい遊びを満喫できていますよ。



斜めの左・右前方から、下半身を防御する甲の重なり具合を観ています。

甲を何枚も重ねている、立体的な厚みがお判りいただけることでしょう。
動き安いいように、どういった形状をしているのかは、それぞれの境目・継ぎ目で想像することができます。



斜めの左・右後方から、下半身を防御する甲の様子を観ています。

外側が、夫も大きな甲ですからね。
前方に合わせ目がくる構造です。
身体のラインで曲線が生じていますから、革製の甲を重ねていることが判ります。
確実に継ぎ目の異なる2枚の甲を重ねていますからね。

これで騎馬は可能なのでしょうか?
それとも騎馬を想定していたいのでしょうかね。
・・・天部ですからね、騎馬・歩行なんて概念は無用なのでしょう(笑)。



膝下の様子です。

ズボン式の袴、膝下は臑甲で覆っています。
膝下と足首のところに「脚結」(あゆい)が見えます。
花形の鋲がありますので、臑甲は前方で合わせて鋲止めする構造と推測できます。

 

平らになっていますが、臑甲と沓の境目には足首を防御する防具が装着されています。



膝下の様子、後方から観てみましょう。

後方に継ぎ目はありませんので臑甲は前で合わせる形状です。
足首の「脚結」(あゆい)よりも下、臑甲と沓の合わせ目を守る防具が踵まで伸びています。

 

踝の横、縦のラインが見えています。
構造は不明ですが、臑甲の下で足首の境目を守る防具と沓を固定する装備がある様です。
リアル仏像/TanaCOCOROサイズだと見過ごしてしまいますが、Standardサイズだと鎧の構造を推測する描写が明確ですね。



では、「広目天」Standardが踏みつけている「邪鬼」の様子を観ましょうか。

ぐうの音も出ない程に、踏みつけられています。



「邪鬼」を頭の肩から

 

背中の方から

 

前の方から

観ています。
「邪鬼」は微動だにできませんね。



今回の「広目天」Standardの上半身、右側から

 

そして左側から

観ています。
思いの外、筋骨隆々って程ではありませんね。
確かに甲を組み合わせ、重ねた鎧を装備していますが、それ程に重装備という感じでありません。
・・・だって、天部だもんね(笑)。



これは、次(次回という意味ではありませんよ)の予告編にございますよ。

左側が既に「河越御所」に居た「広目天」Standard、右側がオークションで確保した今回の「広目天」Standardです。
ほら、並べているだけで色合いと雰囲気が違うということが判りますよね。

 

これだから、「イSム」インテリア仏像で遊ぶと凄く楽しいのですよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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