居合刀改造 鵜の首刀身・半太刀拵 

此方は「武装商店」様HPの2014年9/12に紹介された、問屋企画品「鵜首刀身・半太刀拵」でした。

真鍮製の幅広・鵜首刀身、長さは二尺四寸、外装の印象で長めに感じますが普通のサイズです。手造りの燻し銀半太刀金具が、光沢のある黒石目塗りの鞘にたくさん装着され、圧倒的な頑丈さを誇っています。もとの姿についてご興味がありましたなら、当該紹介ページをご参照ください。

まず在庫を確認し「改造ありき」で購入、そのままで充分な破壊力を備えていたのですが、柄下地の白鮫と黒木綿の柄巻を何とかしなくては(原則革柄巻にしているため)と考え、店主様に相談して助言をいただき、以下の点を改造してもらいました。

 

〈 改造ポイント 〉
金具を替えることはせず、柄周辺を改造して、店頭における邂逅時の印象とは別物にしてしまいました。

<img src=”鵜の首半太刀.jpg” alt=”鵜の首半太刀”/>

 

柄巻は黒表革へと変更、目貫は武装商店所有「特殊三鈷杵」とし一貫巻で巻き込んでもらいました。

この三鈷杵は通常の目貫よりも大きかったため、柄巻師さんの作業は大変だったようで、今後はこのような依頼はもう受けてもらえないそうです。この画像で見ると、もはや目貫ではありません。

一見、黒鮫に見えますが、全体の色合いバランスの調和を考慮し、燻し銀の鮫皮へと変更してもらいました。黒と燻し銀のコラボレーションに、法力ダダ漏れの三鈷杵。この様な居合刀は、どこを探しても売っていないでしょう。

 

ここは改造を施していない箇所ですが、鞘の手元は籐巻きで強化されています。鯉口金具の高さが籐巻きと均一になっている、丁寧で細やかな作業がわかります。

<img src=”鵜の首半太刀.jpg” alt=”鵜の首半太刀”/>

ここも改造を施していない箇所で、鯉口金具の装着状況です。本当に丁寧な作業をなされたことが伝わってきます。それでいて頑丈とは、素晴らしきことです。

<img src=”鵜の首半太刀.jpg” alt=”鵜の首半太刀”/>

もうひとつ、改造を施していない、鞘尻周辺です。職人さんの手造り金具が異彩を放っています。同じ金具を再現すると、どのくらいの費用がかかるか。大変な金額になることでしょう。防御力のみならず攻撃力という点からも脅威です。第一印象は豪毅、よく観察すると繊細。この半太刀と同時期に、魅力的な居合刀が立て続けに販売されていたのですが、この鵜の首半太刀を選択(そして改造できて)できたことは、最適な判断ができたと感じています。

 

<img src=”鵜の首半太刀.jpg” alt=”鵜の首半太刀”/>

さて、改造箇所の紹介に戻りましょう。鎺には表に宝生如来を表す梵字「タラーク」、裏に軍荼利明王を表す梵字「ウン」を入れてもらいました。鞘を払わなければ見えない所ですが、ここにも法力ダダ漏れポイントが隠されています。

 

 

この居合刀の魅力でもある鵜の首刀身は、鞘から払っただけでも充分な威圧感を放ちます。幅広の真鍮刀身で二尺四寸なのですが、状況によっては伸びてしまいそうな感じです。

 

<img src=”鵜の首半太刀.jpg” alt=”鵜の首半太刀”/>

左側はダイナミックな「鵜の首」の様子を、右側は特徴的な「大切先」の様子を表したものです。「清麿?」刃文が異様に禍々しさを放っています。

当初は鞘の重装備で圧倒的な防御力を有していた半太刀だったのですが、法具を目貫に、鎺の表裏に梵字を入れたことで何でも切り裂いてしまう攻撃力が備わった半太刀になってしまいました。燻し銀金具は特に手入れをしていなかったため変色していますが、これもまた味わいが出てよろしいかと存じています。もともと武張った姿をしていたのですが、改造によって超重厚感を増した武器になりました。

 

 

 

 

 

 

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