阿耨達童子(TanaCOCORO 限定150体)

先日採り上げたTanaCOCORO「指徳童子」(しとくどうじ)と同時に、「高野山八大童子」シリーズのファイナルとしてTanaCOCORO「阿耨達童子」(あのくたどうじ)が発売されました。
2025(令和7)年9月25日(木)、限定150体でしたが、2体とも既に完売しています。


では、阿耨達童子」(あのくたどうじ)のお姿を観察していきましょうかね。

馬の如き姿をしたドラゴンに阿耨達童子が跨がっています。
これっ「龍王」だそうですよ。



「龍王」のお顔に接近してみます。

口を開けておりまして、なかなか怖いお顔をされております。
目もギョロッとしていますしね。


左右の斜め前から果敢ています。

黒い瞳に金色の縁取りがなされ、白目の部分に緑色と赤色が注されています。
細やかなところですが、しっかりと塗られているので〝強い目力〟になっていくのですね。



ちょいと上から観ますと

短く曲がった角、ピンと立った耳が特徴的ですね。

お顔、河内国壺井八幡宮の手水所に居るドラゴンに似ていますね。
この角度から観ると、ドラゴン手似た様な顔をしているのかも知れませんが。



「龍王」の背中、四角い孔がありまして

 

上から見ると、こんな感じ。

阿耨達童子(あのくたどうじ)に四角い凸部があり、ここに差し込む仕様となっています。
双方(龍王・阿耨達童子)に小さな自作が埋め込まれているので、磁石の引き合わせが強く、合体時に「ガチッ」っと音がします。


「龍王」に「阿耨達童子」を乗せ、360度、回ってもらいました。

〝高野山八大童子〟尻0図の中で「龍王」の身体が長い分、最も大きいですからね。
価格もTanaCOCOROシリーズの中ではトップ・クラスですよ。



「龍王」の背に「阿耨達童子」を乗せ、正面から観察しています。

ホント、馬に乗っているみたいです。
「龍王」の主張が強いので、「阿耨達童子」のお顔がピンボケてしまいました。



「阿耨達童子」のお顔に寄って観ています。

一般的に「阿耨達童子」は頭に「金翅鳥」(こんじちょう)を乗せいるそうですが、
TanaCOCORO「阿耨達童子」の頭部には「金翅鳥」がおりません。

頭頂部の髷を輪っかで括り、前方に装飾を付けています。
正式な名称は判りませんが、頭部を一周するのは3本の紐状の飾りでしょうか?
耳の前から髷を垂らし、それを耳に引っかけて輪っかにして纏める特殊な頭髪です。

お顔は赤く塗られています。
「龍王」の表情が忿怒相ですが、対照的に「阿耨達童子」は冷静沈着な面持ちです。
微笑んでいる様には見えません。



左右斜め前から、お顔の様子を観ています。

耳の前で髷をいったん縛り、くるりと耳に巻き付けていますね。
特徴的な頭の結い方をしています。



「阿耨達童子」の左手には蓮華が握られています。

この蓮華、「清浄無垢」(せいじょうむく)、つまり心身共に清らかで穢れの無いことを表現しているそうですよ。
右手の印相は戒律を遵守する「中品中生」(ちゅうぼんちゅうしょう)でしょうかね。



「阿耨達童子」を右斜め前から観ています。

半跏踏み下げの状態で、「龍王」の背に乗っています。
躍動感が顕著な「龍王」の背に、何とも涼やかに乗っています。



右足に注目しています。

山城国東寺講堂の帝釈天は足の親指を跳ね上げていますが、この「阿耨達童子」には指の歯値上げが見えません。

「龍王」の鱗が規則正しく彫り込まれています。



そのまま後ろの肩へ視点を移動させます。

もう身体の形態が馬ですね。
中国や日本の伝殺で「龍馬」が存在しますからね。
でも「龍王」と言っているので、馬みたいでも「龍王」と統一しましょう。
脇腹に翼が折りたたまれています。
後ろ足には棘がありますからね。
そもそも鱗がありますので「龍王」なのですよ。



尻尾がグルリんとうねっています。

尾っぽにも鱗がありますが、下側にはありませんね。
まるで蛇みたいな動きです。

 

尻尾の先端は、クルッと丸まっています。
先っちょに棘があったり、フサフサした毛はありませんね。



「龍王」の後ろに回って観ます。

こうして観察すると、背鰭と鱗が顕かですです。
尾っぽの下側ってツルツルなんですね。



後ろ足の筋肉・動き、尻尾のうねりによって躍動感が伝わってきますね。
鎌倉時代に補作されたと謂いますが、造像に携わった仏師(仏師たち?)の技巧をうかがい知ることができますね。



「龍王」の左側に回って観ています。

後方から観察すると、肉厚さを強く感じましたが、、横から観ると案外ほっそりしています。
「龍王」の脇腹には翼?が備わっていますね。
龍だから翼を広げることは無いでようが、この翼が無いとお馬さんっぽさが強まってしまうからでしょうかね?



蹄(ひづめ)ではなく、ドラゴンなので鉤爪ですね。
ドラゴンの手(足?)って短いという固定観念を持っていました。
でも、こうして長いとお馬さんっぽさが強くなりますね。



「龍王」のお顔と、乗っている「阿耨達童子」が絶妙なバランスをとっている様子です。

馬っぽいお姿ですが、駈けるのではなく〝飛ぶ〟のですよね。
ドラゴンってスッ~と伸びやかに飛ぶイメージがあり、そうであれば半跏踏み下げであったも安定して「龍王」の背に乗っていることができます。
・・・そんなコト、心配することぢゃないか(笑)。



「龍王」の背に「阿耨達童子」が乗っている様子を左側から観ています。



「龍王」の背に「阿耨達童子」が乗っている様子を右側から観ています。



「龍王」の背に「阿耨達童子」を乗せる際、「阿耨達童子」が小さいなぁと感じましたが、こうして観ると「阿耨達童子」が大きい、逆に「龍王」が小さい様に感じますね。
「龍王」も童子を乗せる為、小降りなサイズになったのでしょうか。



州浜座の様子です。
斜め左前から観ています。

 

斜め右前から観ています。

ここだけ見ると、足の動きはお馬さんです。
中性(鎌倉時代)の補作ですから、乗り物と謂えば馬のイメージだったのでしょうか。

州浜座の状態も、注目・比較すれば個性を見出せたのでしょうが、購入オーディションでは留意しませんでした。



購入オーディションの様子、掲載できる様な画像がありませんでしたのでね、

左:指徳童子(しとくどうじ)
右:阿耨達童子(あのくたどうじ)
です。
八大童子のうち、鎌倉時代後期の補作と伝わる2体です。
ある意味〝兄弟〟ですね(笑)。

「河越御所」において、造像当初から揃っている6体とは未だ対面させていません。
そのうち勢揃いさせますね。
どうした風に並べよっかなぁ。
考えただけで、楽しくなってきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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